· 

患者側代理人として(活動の目的)

 春も近くなっているはずなのですが、未だ冬の寒さが続いておりますところ、皆さん、いかがお過ごしでしょうか。1月にブログを立ち上げたのですが、諸事情(弁護士会というムラの選挙)により忙殺されて更新が止まっていました。

 

 このブログでは、私の日々の弁護士としての活動等をご紹介することを趣旨としておりますが、今回は、私が対応する個人のお客様の案件の中でかなりの比重を占めている、医療事件についてお話をします。

 

 私は、医療行為の過程における過失等により被害を受けた患者さんの立場で、代理人として活動しています。医療機関のお客様からは、医療事故とは無関係の経営関係のご相談や、医療事故調査委員会などの医療安全の確保に向けた対応をお受けすることがありますが、医療事故そのものについての医療機関側における代理人活動はお受けしていません。

 では、患者さんの代理人として医療事件を受け、何を目指すべきなのでしょうか。

 

 日本の民事訴訟は、最終的には金銭請求に集約されていく構造となっており、医療事故についての責任を医療機関に求める場合には損害賠償を請求することがほとんどです。しかし、私は、医療事件のゴールは、賠償金を得ることのみではないと思っています。

 医療事故のご相談をお受けすると、医療機関に対する怒りや悲しみという強い感情が表に出ているご相談者が多く、また死亡事故や重度の障害事故を典型として、生活のための金銭賠償を得ることが必要な事案も多くあります。そのため、医療機関の責任を裁判で認めさせ、賠償金を得ることは、代理人の活動として重要です。

 他方で、代理人として活動を進めていくにつれ時間が経過してくると、ご依頼者は、「事故を生じた原因は何だったのかを知りたい」「誠意ある説明が欲しい」という原因究明の要望や、「二度とこのような事故を生じないようにして欲しい」という再発防止に向けた思いをお持ちになることも多くあります。そのため、単純な金銭賠償の多寡のみではなく、このようなご依頼者の思いに寄り添った解決を得ることが、患者側代理人としての活動において極めて重要であると考えています。

 代理人活動を進めていく過程でご依頼者の要望や思いを汲み取りつつ、なぜ被害を生じてしまったかについての原因究明や、医療機関等における問題点を踏まえた事故の再発防止、必要に応じた医療関係者の再教育など、その獲得目標はご要望に応じて様々です。また、そのような目的に向けた活動を通して、ご依頼者自身が被害から再起し、被害回復に繋がることも多くあります。そして、原因究明と再発防止に向けた事故対応を積み重ねていくことは、結果として、医療全体の改善(良質で安全な医療の実現)に繋がっていくことになります。医療改善に繋がっていくことは、医療事故被害にあった方の多くが有する願いであり、我々患者側代理人の活動の本質的な目的です。

 

 このような目的達成のため、具体的にどのような代理人活動を行っているのかについて、このブログで折りをみてご紹介していきたいと思います。