※ この記事は「たちばなブログ」に掲載したものを転載しています。
さて、先日発売となった法学セミナー2015年5月号で、私がコーディネーターをした座談会が特集されています。
ちなみに、法学セミナーというのは法律初学者(法学部生)を含めて読者層にしている、業界の老舗雑誌です。
では、なぜ、あおのがこんな雑誌に載っているのかというのが、今回のお話。
知っている人は知っていますが、弁護士を含めた法曹三者(弁護士、検察官、裁判官)になるには司法試験に合格して研修を受けなければなりませんが、10年以上前にこの法曹養成制度の大改革があり、法科大学院という大学院を卒業しなければ司法試験を原則として受けられないという制度に変わりました。
しかし、大学院に行くことを原則としたために費用と時間がかかるようになり、また法曹人口を増やすことにしたため弁護士の就職難(あおのは弁護士は就職するもんじゃないと思っているのでこの言葉には違和感がありますが)が生じたりして、現在、うちの業界はかなり人気低迷中なわけです。
(実は予備試験という抜け道があってそっちの人気があったりして、制度上の問題を抱えているのですが、それは別の機会に。)
そんなわけで、法曹志望者を増やすために、法科大学院協会が主催、日弁連が共催、関係省庁が後援のもと、全国各地で法曹の活動の魅力や法科大学院について知ってもらう「法科大学院キャラバン」(法科大学院がわかる会)が開催されました。
今回の法学セミナーの特集は、キャラバンの東京会場を取材したものです。
そして、あおのは日本弁護士連合会で嘱託(臨時職員)をやっており、法曹養成問題を担当してます。
日弁連としても、後進が育たない業界は終わってしまうという危機感は同じで、全国の法科大学院を束ねる法科大学院協会の企画を、全面的に協力体制を敷き、実施することにしました。
そのため、今回のキャラバンは、私を含めた何名かの日弁連サイドから人材が投入されたわけです。
そのときの企画の詳細や参加者の感想などは法科大学院協会のページにいくつか載ってますので、興味のある人はご参考に。
そんな法科大学院キャラバンですが、全国各地で今年もやります。
あおのは今年も担当ですが、今回はしっかり企画をして、あおのが登壇する羽目に陥らないようにしたいと思います。
つまり、昨年度の企画にあおのが登壇しているのは、準備不足の責任を担当者がとったということなんですねー(笑)。
なお、現在の法曹養成制度は、様々な問題を抱えており、日弁連、文科省、法務省、最高裁、内閣府、業界の賛成派や反対派など、色んな意見があります。
あおのは、嘱託になる前から携わってきたので、個人的にも色々と言いたいこと(関係機関や賛成派・反対派あちこちに)もあります。
ただ、あおのは、弁護士を含めた法律家という仕事は、面白くて、辛いこともある、なる前の予想を良い意味でも悪い意味でも裏切る素敵な仕事だと、ずっと思っています。
ですので、制度がどうなるかはさて置いても、色んな法律家の色んな話を聞いて、弁護士っておもしろそうじゃん(しんどいわりに儲からなそうだけどw)、と思ってくれる若い人たちが少しでも増えてくれればと思って、嘱託のお仕事をしています。
そんな意味で、今年度も良い企画にしたいなーと思うわけです。
どうでも良いのですが、あおのの日弁連での役職は、「日本弁護士連合会事務総長付特別嘱託」とたいそうな名前が付いてます。
リタイアした年配のベテランのための名誉職みたいで、まだまだ若者のつもりのあおのは、ちょっと嫌なのです(笑)。